不妊の因子

■内分泌排卵因子
これらの異常は無月経など月経異常を伴うのが一般的です。視床下部下垂体系の異常、高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣症候群、早期卵巣機能不全、黄体機能不全などが知られています。続発性無月経は非常に頻度が多い疾患であり、特に視床下部性のものが多いです。原発性無月経は極めて稀で、無月経の原因を纏める。
・視床下部性
原発性としてはカルマン症候群、フレーリヒ症候群、ローレンスムーンビードル症候群などがあります。続発性としてはキアリフロンメル症候群、アルゴンツデルカスティーユ症候群、神経因性食欲不振症、体重減少性無月経などがあげられています。カルマン症候群は無嗅覚症を合併する遺伝性疾患であり、視床下部におけるゴナドトロピン産出の低下、全身奇形を伴う症候群であります。フレーリヒ症候群は女性型の肥満、性器の発育障害を2主徴とする症候群であり、視床下部に器質性疾患をもちます。頭蓋咽頭腫によるものが最も多く、視覚異常や頭蓋内圧亢進症を伴う場合が多いです。ローレンスムーンビードル症候群は肥満、網膜色素変性、多指症、合指症、生成ん機能障害、家族内発症を6主徴とする疾患であり、低身長、視神経萎縮、片側腎欠損、難聴、夜盲、尿毒症、精神障害を伴うこともあるそうです。キアリフロンメル症候群は妊娠・授乳に関連して起こる視床下部性高プロラクチン血症です。アルゴンツデルカスティーユ症候群は妊娠、授乳に無関係におこり、トルコ鞍にも異常がない視床下部性高プロラクチン血症であります。
・下垂体性
原発性としては先天性ゴナドトロピン欠損症などがあげられます。続発性としてはシーハン症候群、フォーブスオールブライト症候群、下垂体腺腫などがあげられます。フォーブスオールブライト症候群は下垂体に器質性疾患(大抵は腺腫)が存在するため高プロラクチン血症にいたった場合です。
・卵巣性
原発性としてはターナー症候群などがあげられます。続発性としては多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、早発卵巣機能不全、卵巣摘出などがあげられます。早期卵巣機能不全とは40歳未満で高ゴナドトロピン性低エストロゲン血症(閉経パターン)となります。卵子が0となったときや、FSH、LHの感受性が著しく困難になった場合です。一般に排卵誘発は極めて困難だといわれています。
その他、子宮性、腟性といった無月経も存在します。
■卵管因子
卵管が原因となるものとしては、卵管留水腫や卵管間質部の閉塞が知られています。卵管留水腫はクラミジア感染症によっておこる、卵管采、卵管采周囲の癒着である。卵管間質部閉塞は子宮内膜症やクラミジア感染症などで反復炎症にいたった結果として起こります。これらの障害がおこると卵子、精子の輸送や相互作用が阻害され不妊にいたるのです。特にクラミジア感染症は不妊症にいたるまで無症候であることが多く注意が必要で、クラミジア感染症はまれにフィッツヒューカーティス症候群という肝周囲炎を起こしてしまいます。若年女性の上腹部痛の鑑別として重要であり、また不妊症にいたらなくとも炎症によって卵管の輸送能が低下すると子宮外妊娠も起こしやすいので注意が必要です。
■子宮因子
殆どが子宮の形態異常です。子宮奇形、子宮筋腫、子宮内膜症、アッシャーマン症候群などが知られています。免疫学的異常として子宮頸管に抗精子抗体が存在することがあります。この場合はヒューナーテスト(2日間禁欲し、性交後に頚管粘液を採取し運動性のある精子が10個以上あれば正常である)を行い頚管粘液と夫精子の相互作用を評価します。性交せずに評価するには頸管粘液を採取し、精子が頸管粘液に進入するのかを調べる方法も存在します。


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